Amazonでロバを買った。
近所の若者が飼っているロバが脱走した。競走馬のように茶色くてでかいロバだ。ロバは町中を駆け回り、様々な家や店舗に突っ込みまくって、大パニックになった。
そのニュースを見て、「あ、ロバって飼えるんだ」と思った私は、さっそくAmazonでロバをポチった。3000円くらいだった。
翌日の夕方、高さ150cmくらいで、白と黒の牛のような模様で、首に着けられた輪っかにAmazonの白い送付伝票をくっつけて、ロバが家に届いた。
ロバを買ったはいいものの、うちは賃貸のマンションなので、どこに置いておこうか迷った。何も考えなしに思い立ってすぐ買ってしまったのだ。法的には原付や自転車と同じ軽車両扱いだから、賃貸の駐輪場の自分のバイクの隣に置こうかと思ったのだが、嘶いてバイクを倒したりしないか心配になった。それにロバは多分草を食べるだろうから、係留している場所に草が生えていないと困る。賃貸の敷地内を見て歩いた結果、一番雑草が生えているところは違う部屋の駐車スペースだった。その時は停まってなかったが、万一そこに車がいつもいるようならロバが轢かれたりしそうなので、とりあえず様子を見るために自分の駐車スペースに置くことにした。雑草は少しだけ生えていたから一晩くらいはしのげそうだった。私はロープをロバの首にかけ駐車場の後ろのフェンスのあみあみに通して、大きな輪っかを作って結んで、繋いだ。
そうこうしているとやたらとその辺が騒がしくなった。パトカーがたくさん集まってきて、警察がうろちょろしている。何事かと聞くと、「脱走している暴れロバをこの辺で捕獲できそうだ」ということであった。私の住む三階建てマンションの住人も、わらわらと玄関前に集まって野次馬し始めた。
警察が「とにかく危ないから家に入ってください」と、我々を牽制した。私も家に帰れと促されたので、「ちなみに、」と大きな声で警察とほかの住人に話しかけた。
「ちなみに、そこの駐車場にいる白黒のロバは私のロバです」
警察は「ああそう、」と言って捕り物劇に向かっていったので、私は大丈夫かなあと不安になった。それにしてもこのタイミングでロバを買うのは悪かったなあ、私のロバと間違えられたら困る、と遅ればせながら思った。
その夜は長かった。脱走している大きなロバが、町中を荒らしまわっているのだ。火事になっている建物もいくつかあった。災害が起きた後のような、非日常感を味わっていた。
自分のロバが心配になり、外に見に行ったら、何とロバがいなかった。あとには私がつなげたはずの輪っかだけが残っていた。ロバの首に輪っかをかけただけなのだから、ロバが頭を下げたら逃げ出せてしまうのは至極当然だった。ロバを買ったことにしても、繋いだことにしても、どうして自分はよく考えないで行動してしまうのか。発達は健常のはずだが、ADHDじゃないのかと考えてしまい、少し鬱になった。
まだ夜は続く。
近くにいた警察いわく、ロバが二頭野放しになっているということだった。ああ私のロバもその辺を走り回っているのか、と頭が痛くなった。
私も自分のロバを捕まえようとした。
目撃情報のあった付近を捜していると、暴れロバと私のロバが走り回っていた。走り回っていると言うか、競馬しているように駿馬だった。私のロバが暴れロバを止めようとしているかのように、二頭は入り乱れながら駆けていた。
暴れロバは見境なく建物に突っ込んでくる。私もヤバイ、と思ってコンビニに避難したが、うずくまった背中の後ろに暴れロバが突っ込んで来たらしく、無数のガラスの破片を浴びた。店舗は入り口がガラス張りだから困る。
ロバ達はその場からは去っていったが、私は自転車で追いかけた。ロバが巻き起こした混乱のせいで、町のところどころが、爆撃されたかのように火を噴いていた。私のロバのせいにされたら、賠償金がヤバイことになるなあと思いながら、それらを見た。
考えていたらロバを見失いそうになってしまった。人々の群れや幹線道路を気をつけながら横断し、8kmくらい自転車で、ロバを追いかけて走り回った。
火事のせいか明け方のせいか空が白んできた頃、やっと自分のロバが暴れロバを説得したか打ち負かしたかしたらしく、二頭はおとなしくなった。
自分のロバは警察によって、街路樹に係留されていた。その場に着いた私は、ロバを褒めた。私のロバは何故か190cmくらいになっていた。白黒のロバの顔をたくさんさすって、頬ずりをした。
自分のロバを連れ帰った。いつの間にか自宅マンションは堅固にリフォームされていた。見上げると、部屋数は変わらないようだった。夜の間に、対ロバとして強固な住宅に改装されたらしい。駐車スペースも狭くなっていた。仕方がないのでロバは、屋根付き駐輪場に留めることにした。
駐輪場には既に、私の自転車、バイクが置いてある。その隣にロバを繋ぐことにした。
今度は逃げないように、しっかり首輪をつけて、首輪の金具にロープを結んで、駐輪場の柱に固く繋いだ。そうしていると、制服を着た妹が自転車に乗って帰宅してきた。
私は妹に「なんかさあ、駐輪場狭いんだよね」と話しかけた。
妹は自転車を降りながら、私の自転車、バイク、ロバを一瞥して「仕方ないじゃん、賃貸だもん」と言って、先にオートロックを開けて家に入ってしまった。
私は「そっか、賃貸だもんな」と言った。そして、自分がいない間にオートロックになっていることに気付き、入れてもらおうと慌てて妹を追いかけた。
という夢を見ました。
Amazonアソシエイトに3回落ちた
フォロワーがAmazonアソシエイトプログラムでブイブイ言わせているので、羨ましくなって私も申し込んでみた。
文中の「カタワ」を「片輪」に置換してみたり(もう原文に戻してあります)、
こういう既存の記事にさりげなく「Amazonで買ってますよ〜」という写真と文を新たに挿入してアピールしたり、
256文字で「どういう商品を紹介していきたいか」という作文を書かなければならないのだが、最初は一行くらいで書いていたがどうやら文字数ギリギリまで精一杯アピールするのがいいらしいとネットで見たので頑張って書いてみたり。
勿論自分はプライム会員だしAmazonクレカも持っているし、実績は十分にあるはずなのだが
普通に3回落ちた。
多分ハッピー食べたりしてるからだと思う。それか障害者差別。
これ以上直しようがないので、もう申請はやめます。
これまでも、これからも、私のツイッターやこのブログにAmazonの商品リンクが貼ってあっても、それはノンアフィですので、安心してクリックしてください!私には鐚一文入りません!安心してください!
Amazonのことは嫌いになっても、私のことは嫌いにならないでくださァい!
休日の社内イベントを許すな
社内行事として、とある海産物が有名な県に、日帰りバス旅行してきた。事前に渡されていた日程表は以下の通りだ。
集合→温泉旅館で昼食バイキングののち自由時間(入泉可能)→お土産センターで買い物→帰る
現地のなにがしかを観光をする予定が一切無いようだし、でかめの温泉ホテルのバイキングは当たりハズレが大きい、というかこの大人数が会社行事で行けるような値段のバイキングは99.99%ハズレなので、この旅程を見た時点でバイキングで唐揚げを食べることくらいしか楽しみにしてなかったのだが、期待とは裏切られるものである。
狭い4列バスに数時間揺られたのち、着いた宴会場で私を待ち受けていたのは、鍋セットと刺身、そしてとある海産物の食べ放題だった。
既にテーブルにセッティングされている様々な皿には一枚のラップもなく、色つやの欠片もない刺身が大葉の上に寝そべっていた。刺身だけなら特定されなさそうだし写真も載せちゃう。↓
刺身というものは「山」をイメージして盛るのが基本だ。宴会向けの小さい小鉢であっても、つまの上に大葉を置き、その上に刺身を置けば、高さが出る。同じ種類の刺身を数枚置くのなら、それぞれの切った断面が見えるように少しずつずらす。こうすることで、見た目も美しく、それぞれが箸で取りやすい、美と機能を併せ持った一皿になるのだ。これを踏まえて下のお刺身の写真を見てください。
あーおいしそうですね。金沢行きたい。
閑話休題。食べ放題の海産物については、ところどころ光っていた。おいしそうだから光って見えるんじゃあない、冷凍のものを我々が来るしばらく前からドデンと置いて自然解凍させているから、氷の塊がほんの少し残っていて光っているのだ。
少し食べてみたが、冷凍なので旨味もクソもないし、身はもともと細いのが冷凍してさらに細くなってるし、フナムシのほうがまともなものを食ってるレベルだった。食べ放題だがもちろん全然手を付けなかった。
バイキングで冷たい唐揚げ食べたほうがよっぽどマシだった。あーバイキング、バイキングで冷たい唐揚げとフライドポテト食べたかったよう、うう、おかあちゃんおかあちゃん。
驚くべきは、そんな海産物でもホイホイお替りしておいしいおいしい言っているいい年した大人の存在だ。
???「やれやれ、あんな飯をありがたがってるようじゃあ、この会社も終わりだな・・・(CV:井上和彦)」
混雑が目に見えるので、温泉には入らなかった。
虚無の状態で帰りのバスに乗り込み、携帯でニュースを読みながら発車を待っていると、後から知らんジジイが乗り込んできて、俺の目の前で立ち止まる。
「何や知らん顔ばっかやな~~~!!!」
ジジイは完全に出来上がってる。たかが飲み放題のビールとやっすい日本酒でよくここまで出来上がれるものだ。感心感心。
「お前、親会社のやつか?」
「親会社のほうも大したことねえよなあ!!」
「俺がこう通ったら、知らん奴でも挨拶をせんかい!!」
完全に老害のノリで苦笑してしまった。そしてこういう酔っ払いのジジイに絡まれるのは学生時代に居酒屋でバイトして以来数年ぶりの出来事なので、懐かしさすら覚えた。嗚呼ノスタルジイ。東京ブギウギ ジジイウキウキ 心イライラ爆発~♪
ジジイは子会社のほうのジジイで、(この旅行には複数会社で来ているのだ)私の家族も知らないジジイだった。
極めつけに「お前女か?」と言われ、やたらと手を握られるという訴えようによっては勝てそうな老害ハラスメントを受けて爆笑。
その後大して買うものもない物産館に連れていかれて、また数時間かけて戻ってきた。
家族は帰りのバス車中、ずっと転職サイトを開いていた。