佐藤妹子の備忘録

鬱病6年無職の生活。

Amazonでロバを買った。

近所の若者が飼っているロバが脱走した。競走馬のように茶色くてでかいロバだ。ロバは町中を駆け回り、様々な家や店舗に突っ込みまくって、大パニックになった。

そのニュースを見て、「あ、ロバって飼えるんだ」と思った私は、さっそくAmazonでロバをポチった。3000円くらいだった。

 

翌日の夕方、高さ150cmくらいで、白と黒の牛のような模様で、首に着けられた輪っかにAmazonの白い送付伝票をくっつけて、ロバが家に届いた。

ロバを買ったはいいものの、うちは賃貸のマンションなので、どこに置いておこうか迷った。何も考えなしに思い立ってすぐ買ってしまったのだ。法的には原付や自転車と同じ軽車両扱いだから、賃貸の駐輪場の自分のバイクの隣に置こうかと思ったのだが、嘶いてバイクを倒したりしないか心配になった。それにロバは多分草を食べるだろうから、係留している場所に草が生えていないと困る。賃貸の敷地内を見て歩いた結果、一番雑草が生えているところは違う部屋の駐車スペースだった。その時は停まってなかったが、万一そこに車がいつもいるようならロバが轢かれたりしそうなので、とりあえず様子を見るために自分の駐車スペースに置くことにした。雑草は少しだけ生えていたから一晩くらいはしのげそうだった。私はロープをロバの首にかけ駐車場の後ろのフェンスのあみあみに通して、大きな輪っかを作って結んで、繋いだ。

 

そうこうしているとやたらとその辺が騒がしくなった。パトカーがたくさん集まってきて、警察がうろちょろしている。何事かと聞くと、「脱走している暴れロバをこの辺で捕獲できそうだ」ということであった。私の住む三階建てマンションの住人も、わらわらと玄関前に集まって野次馬し始めた。

警察が「とにかく危ないから家に入ってください」と、我々を牽制した。私も家に帰れと促されたので、「ちなみに、」と大きな声で警察とほかの住人に話しかけた。

「ちなみに、そこの駐車場にいる白黒のロバは私のロバです」

警察は「ああそう、」と言って捕り物劇に向かっていったので、私は大丈夫かなあと不安になった。それにしてもこのタイミングでロバを買うのは悪かったなあ、私のロバと間違えられたら困る、と遅ればせながら思った。

 

その夜は長かった。脱走している大きなロバが、町中を荒らしまわっているのだ。火事になっている建物もいくつかあった。災害が起きた後のような、非日常感を味わっていた。

自分のロバが心配になり、外に見に行ったら、何とロバがいなかった。あとには私がつなげたはずの輪っかだけが残っていた。ロバの首に輪っかをかけただけなのだから、ロバが頭を下げたら逃げ出せてしまうのは至極当然だった。ロバを買ったことにしても、繋いだことにしても、どうして自分はよく考えないで行動してしまうのか。発達は健常のはずだが、ADHDじゃないのかと考えてしまい、少し鬱になった。

 

まだ夜は続く。

近くにいた警察いわく、ロバが二頭野放しになっているということだった。ああ私のロバもその辺を走り回っているのか、と頭が痛くなった。

私も自分のロバを捕まえようとした。

目撃情報のあった付近を捜していると、暴れロバと私のロバが走り回っていた。走り回っていると言うか、競馬しているように駿馬だった。私のロバが暴れロバを止めようとしているかのように、二頭は入り乱れながら駆けていた。

暴れロバは見境なく建物に突っ込んでくる。私もヤバイ、と思ってコンビニに避難したが、うずくまった背中の後ろに暴れロバが突っ込んで来たらしく、無数のガラスの破片を浴びた。店舗は入り口がガラス張りだから困る。

 

ロバ達はその場からは去っていったが、私は自転車で追いかけた。ロバが巻き起こした混乱のせいで、町のところどころが、爆撃されたかのように火を噴いていた。私のロバのせいにされたら、賠償金がヤバイことになるなあと思いながら、それらを見た。

考えていたらロバを見失いそうになってしまった。人々の群れや幹線道路を気をつけながら横断し、8kmくらい自転車で、ロバを追いかけて走り回った。

 

火事のせいか明け方のせいか空が白んできた頃、やっと自分のロバが暴れロバを説得したか打ち負かしたかしたらしく、二頭はおとなしくなった。

自分のロバは警察によって、街路樹に係留されていた。その場に着いた私は、ロバを褒めた。私のロバは何故か190cmくらいになっていた。白黒のロバの顔をたくさんさすって、頬ずりをした。

 

自分のロバを連れ帰った。いつの間にか自宅マンションは堅固にリフォームされていた。見上げると、部屋数は変わらないようだった。夜の間に、対ロバとして強固な住宅に改装されたらしい。駐車スペースも狭くなっていた。仕方がないのでロバは、屋根付き駐輪場に留めることにした。

駐輪場には既に、私の自転車、バイクが置いてある。その隣にロバを繋ぐことにした。

今度は逃げないように、しっかり首輪をつけて、首輪の金具にロープを結んで、駐輪場の柱に固く繋いだ。そうしていると、制服を着た妹が自転車に乗って帰宅してきた。

私は妹に「なんかさあ、駐輪場狭いんだよね」と話しかけた。

妹は自転車を降りながら、私の自転車、バイク、ロバを一瞥して「仕方ないじゃん、賃貸だもん」と言って、先にオートロックを開けて家に入ってしまった。

私は「そっか、賃貸だもんな」と言った。そして、自分がいない間にオートロックになっていることに気付き、入れてもらおうと慌てて妹を追いかけた。

 

という夢を見ました。

 

ちなみに私の欲しいものリストはこちらです。